「治療不可能」な癌も撃破!CRISPR技術が癌細胞をピンポイントで破壊する革命的アプローチ
CRISPR tech selectively shreds cancer cells, including "undruggable" cancers
CRISPR tech selectively shreds cancer cells, including "undruggable" cancers
最新のCRISPR技術が、これまで「治療不可能(undruggable)」とされてきた難治性の癌細胞をターゲットにし、それらを強制的に破壊することに成功しました。この革新的な手法は、正常な細胞を傷つけずに癌細胞だけをピンポイントで選別・攻撃できる可能性を秘めており、今後の癌治療のパラダイムを大きく変えるかもしれません。
今度こそ上手くいってほしい。ちょうど10年くらい前に、ある癌の治療法が提案されてすごく期待したことを覚えてる。ランチで同僚にその話をしようとしたら、そんなの信じるなんてって笑われたんだよね。
Natureの論文にアクセスできない人のために、1ヶ月前のプレプリントを貼っておくよ:https://www.biorxiv.org/content/10.64898/2026.05.08.723607v1
Natureの論文はこちら:https://www.nature.com/articles/s41586-026-10738-7
記事の詳細がかなりあっさりしてるんだけど、「他のCRISPR療法と同様に、送達が重大な課題。つまり、巨大なゲノム切断酵素をターゲットの全細胞に効率よく届けること」という記述からすると、今のところはin vitro(試験管内)段階なんだろうね。実際に人間に使えるようになるには、数年から数十年はかかるはず。それでも良いニュースだけど。
CRISPRは科学ニュースでマーケティング的に持ち上げられすぎてて、過大評価されてる感がある。FDA承認済みのCRISPR療法が1件なのに対して、AAV(アデノ随伴ウイルス)療法は7件、レンチウイルス療法も7件あるんだよ。
承認されたウイルスベクター療法を全部合わせると19件にもなるのに、CRISPRはまだ1件だけ。
ラボレベルのCRISPRのアイデアはメインストリームのメディアに取り上げられやすいだけだと思う。本当の未来はウイルスベクターを使った送達にあるはずなんだけど、なぜか同じようにニュースで注目されることはないんだよね。
CRISPR/Casを使って腫瘍特異的な変異(必ずしも発がん性とは限らないもの)を検知し、その細胞を殺すという考え自体は新しいものじゃない[0, 1, 2]。ただ、以前の研究ではCas9が使われていて、これはターゲット部位のDNAを傷つけるだけだった。それに対して今回はCas12a2が使われていて、こっちはターゲット配列を検知すると活性化して細胞内のクロマチンを粉砕するから、破壊力が段違いだよ。
他の癌治療と同じで、腫瘍側も耐性を獲得する可能性が高いと思う。細胞がCRISPR/CasのmRNAやガイド配列を運ぶための脂質ナノ粒子(LNP)を拒絶する方法を見つけるんじゃないかな。細胞表面を改造してLNPを取り込まなくしたり、エンドソームやリソソーム経路をいじってmRNAがタンパク質に翻訳される前に分解させたりするような形でね。
[0] https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28575452/
[1] https://www.nature.com/articles/s41598-018-30205-2
[2] https://www.nature.com/articles/s41467-020-18875-x
新しい抗がん剤の現状や、承認に至るまでのボトルネックについては、このブログのトップ記事も参考にしてみて。https://www.writingruxandrabio.com/archive
AIと癌の治療法についての記事はこちら:https://www.writingruxandrabio.com/p/a-response-to-dario-amodei-on-ai
最高!実は70代で発症する遺伝性の病気を持ってるんだけど、自分の番が回ってくる前にCRISPRが何とかしてくれることをマジで期待してる!
どれだけの癌(およびその亜種)を解決できていて、効果を打ち消す薬があるのか、あるいは実験段階なのか、もう治せない癌はどれか、といったことがわかるサイトを知ってる人いる?過去10年の進歩を見たら、グラフを見ただけで圧倒されそうなんだけど。
もっとすごいのは、生物学的な課題に直面してから次の解決マイルストーンを達成するまでの期間が、数千年単位から数十年、そして近いうちに数年単位へと縮まっていくことだよね。「AI」もあるけど、今まさに世界中の優秀な頭脳が、数年前には考えられなかったようなスピードで開発を加速させてるんだと思う。
癌治療が、広範囲を破壊する手法(化学療法や放射線)から、悪性細胞をより正確に識別する方向へシフトし続けているのが印象的だね。もはや課題は「癌細胞を殺せるか?」ではなく、「癌細胞だけを確実に識別して、すべてにアプローチできるか?」に移っている。今回の論文も、その方向への一歩のように見える。