ディスカッション (11件)
ここ数年、AIやソフトウェア開発の影に隠れがちだったRF(無線周波数)エンジニアリングが、再び注目を集めています。IoTデバイスの爆発的な普及や5G・6G通信、さらには衛星インターネットサービスの拡大により、物理層を扱えるエンジニアの需要が急増しているのです。ソフトウェアで何でも解決できる時代だからこそ、電波という「物理」を操るスキルがいま、最も希少価値の高い武器になろうとしています。
ここ8年ほど航空宇宙業界にいるけど、RFエンジニアリングって静かで進化のない分野だなと自信を持って言えるような期間が長かったんだよね。自分は電気工学(EE)の専門じゃないけど、コンシューマー向けで3G/4G/5G/LTEネットワークや802.1xがこれだけ普及した中で、著者がそんな印象を持ったのが正直不思議だよ。もしかしてアメリカの兵器開発(国防系)にどっぷり浸かっていたからこその偏見かな?
RF分野に進もうとしている身としては、HFSSやCSTみたいなツールのライセンス料の高さに悩まされてる。オープンソースのOpenEMSを試してみたけど、今は新しいオープンソースツールのEMergeに落ち着いたよ。秋にリリースされたばかりでまだ荒削りなところはあるけど、自分でRFハードを設計して十分な成果が出ている。あと、この分野の盛り上がりって、世界各地の紛争が影響してるのかな?軍事セクターでのドローンや電子戦(EW)の開発が活発化してるのが、その原動力になってるのかも。
記事の「静かで進化のない分野」という停滞感の指摘については、2010年代から2020年代にかけて十分な開発が進んできたし、ちょっと同意しかねるかな。ただ、RFエンジニアを採用する立場から言わせてもらうと、採用市場は明らかに熱くなってる。記事で触れられている通り、主な要因は間違いなく宇宙関連だね。特にAmazonやSpaceXがとんでもない人数を採用しているし、それに付随するLEO(低軌道衛星)関連の軍事利用もブームを後押ししてる。Appleもハンドセットのベースバンド開発で採用を増やしてるけど、宇宙関連の規模感には到底及ばないね。あと、この記事は(米国限定という)注意書きが必須だよ。特に欧州では自動車部品や車両テレメトリでブームが起きてるし、今の消費財やスマホ関連は中国が強いからね。
RF設計はずっとやってみたかったんだけど、自分がいる巨大企業にはそういう部署がなくて(うちはコンポーネントレベルの設計より統合がメインだから)。電気工学専攻でも、RF設計って昔から「黒魔術」みたいなところがあるよね。ARRLが出してるアマチュア無線関連のすごく良い本以外に、現場でどう動くのかを解説した良質なリファレンスがなかなか見つからなくて。この魅力的な分野について詳しく学べる本やサイトを知っている人はいない?
自分は、周りがこぞって進むソフトウェアの世界の甘い誘惑に乗らず、情熱を優先してハードウェアに残った若手の1人。稼ぎは少ないし、下手すれば半分以下。通勤もしなきゃいけない。仕事の選択肢は狭いし、軍事関連ばかり。有害な物質や化学薬品に晒されるし、ソフト開発に比べてハードの開発は遅くて面倒で過酷。ホームラボを作るにもノートPCとは比べものにならないくらいの設備が必要だし、情報は少ないから詳しい人間と一緒にいるのが不可欠。業界は高齢化が激しくて、顧客との会議に行っても自分より20歳上の人ばかりだなんてザラ。先の見えない時代になって状況が変わるかもしれないけど、今のハードウェアは「第2の世界」のものって感じで、大きな復活は望み薄かな。
著者です :) 議論が盛り上がって嬉しい。地理的な範囲やコンシューマー向けRFについて指摘してくれた人たちがいて、確かにその通りだね。記事内では自動車、5G、IoTにも触れたつもりだったけど、振り返ってみると、僕のいたアメリカの航空宇宙・防衛業界での個人的な実感に偏っていて、普遍的な主張に見えてしまったのは反省点かな。最初からその背景を明確にしておくべきだった。公の場での執筆はまだ勉強中だから、どのあたりの構成が上手くいかなかったかを知れるのは本当に助かるよ。
俺たちソフト屋にとって残念なことに、EEの学位があるやつはソフトに転向して、そこからまたRFに戻るなんてことができる。でもCSの学位を持ってるやつにそれができるかというと、能力的には可能でも、まず雇われないんじゃないかと思う。
これは最近の新しいRF System-on-Module (SoM)アセンブリについての俺のコメントなんだけど[1]。もしRFの道に挑戦する、あるいは転向しようとしているなら(特にソフト背景の人)、記事でも触れられていたSDR(ソフトウェア無線)技術のおかげで、今は絶好のチャンスだよ。あと、記事で言及されていなかった重要なこととして、Physical AI(物理AI)の注目度が上がっている点がある[2]。RFは、人間の限られた感覚能力をEM(電磁)波形を使って拡張する重要な鍵になる。犬の優れた嗅覚が人間の探知能力を補強してくれるのと似たような理屈さ。画像ベースのI/Oを学習させるだけでなく、Physical AIはRF、ミリ波、THz、LIDARの生波形を扱えるようになる。良いニュースとしては、ミリ波やTHz、LIDARの高度な処理が、以前は不可能だった低RF帯のベースバンド信号によって大幅に強化できるようになったことだね。
でも、RFエンジニアリングっていつになったら50万ドル(中級SWEの平均レベル)もらえるようになるの?
君の言う通りだね、Hubble Networkがいい証明だよ。うちはコモディティのBluetooth LEチップを衛星と通信させる技術をやってる。あれはアンテナ設計とリンクバジェットの調整が必要で、ソフトの抽象化レベルじゃどうにもならない代物なんだよ。Hubbleが深層のRF開発を担うことで、IoT機器を作るファームウェアエンジニアがそこに悩まなくて済むようにしているんだ。